身体障害のある方の転職はどう進める?仕事選び・必要な配慮・相談先をやさしく解説

身体障害のある男性が自分に合う働き方や転職について相談している様子 年代・状況別の転職

※この記事はプロモーションを含みます。

「今の職場では、少し働きにくさを感じている」

「身体の状態に合う仕事へ転職したいけれど、どんな求人を探せばいいのだろう」

「必要な配慮について、応募先へどこまで伝えればいいのか分からない」

身体障害がある方が就職や転職を考えるときには、仕事内容や給与だけでは決められないことがあります。

通勤は無理なくできるか。

職場の中を移動しやすいか。

勤務時間や休憩について相談できるか。

定期的な通院と仕事を両立できるか。

そして何より、

自分が無理なく力を発揮できる仕事なのか。

同じ身体障害があっても、必要な配慮や働きやすい環境は一人ひとり違います。

そのため、

「障害がある人に向いている仕事は何か」

という大きな問いから始めるより、

「自分は、どんな条件なら働きやすいのか」

を一つずつ整理する方が、仕事選びの手掛かりを見つけやすくなります。

2026年7月から、民間企業における障害者の法定雇用率は2.7%へ引き上げられました。

障害者雇用をめぐる制度や企業側の取り組みは少しずつ変化しています。

ただし、制度があることと、自分に合う仕事がすぐ見つかることは別の話です。

求人の数だけを見るのではなく、

仕事内容、職場環境、必要な配慮、これからのキャリア

まで含めて考えることが大切です。

この記事では、身体障害のある方が就職・転職を考える際に、

  • 何を整理しておけばよいのか
  • 障害者雇用枠と一般求人をどう考えるか
  • 求人票では何を確認すればよいか
  • 必要な配慮をどう伝えるか
  • どんな相談先があるのか

を順番に見ていきます。

「障害があるから、この仕事しかない」

と最初から可能性を狭めるのでもなく、

「何とかなるだろう」

と無理をするのでもなく。

自分の身体と、仕事と、これからの暮らしを一緒に考える。

そこから始めてみましょう。


身体障害があっても、今より自分に合う働き方を探していい

転職を考えていても、

「今の会社で働けているのだから、これ以上望まない方がいいのでは」

と思うことがあるかもしれません。

あるいは、

「障害がある自分を採用してくれた会社なのだから」

と、働きにくさを感じても転職をためらう方もいるでしょう。

もちろん、今の職場で環境を調整することで働きやすくなる場合もあります。

一方で、

仕事内容が自分に合わない。

通勤の負担が大きい。

職場の設備が使いにくい。

勤務時間と通院を両立しにくい。

これから挑戦したい仕事がある。

そうした理由から、別の職場を探すことも一つの選択肢です。

転職理由は、障害の有無だけで決まるものではありません。

仕事内容、職場環境、人間関係、給与、働く時間、キャリア。

多くの人が仕事を選ぶときに考えることに加えて、身体障害のある方の場合には、

「自分の身体の状態と、その職場での働き方が合っているか」

という条件も重要になります。

だからこそ、

「働ける仕事なら何でもいい」

ではなく、

「どんな環境なら、自分の力を発揮しやすいだろう」

という視点を持ってよいのです。

自分に合う働き方や転職について考える女性


「必要な配慮を受けること」と「仕事を任せてもらうこと」は両立する

雇用の分野では、障害を理由とする差別は禁止されており、事業主には、障害のある方から申し出があった場合、募集・採用時や就業時に必要な合理的配慮を行うことが求められています。

ただし、事業主に過重な負担となる場合は除かれるため、希望した内容がすべてそのまま実現するとは限りません。

大切なのは、

「何でも配慮してください」と伝えることでも、必要なことまで我慢することでもありません。

仕事をするうえで何が必要なのかを整理し、会社側と相談することです。

厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」

雇用の分野における障害者への差別禁止・合理的配慮の提供義務
雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮

転職前に「できること・難しいこと・必要な配慮」を整理しよう

身体障害のある方が仕事を探すとき、

「障害についてどう説明するか」

から考え始めることがあります。

でも、その前に整理しておきたいものがあります。

それが、

できること
難しいこと
必要な配慮

の3つです。

障害名だけを伝えても、実際の働き方までは分かりません。

同じ障害名であっても、

長時間歩くことが難しい人もいれば、短い距離なら問題ない人もいます。

階段の利用が難しくても、エレベーターがあれば支障なく働ける場合もあります。

定期的な通院が必要でも、それ以外の日は通常の勤務ができる場合もあります。

だからこそ、まずは自分自身で、

「仕事をするうえで、実際に何が問題になるのか」

を具体的にしてみます。

まず「できること」から書く

最初から、

「できないこと」

ばかりを並べる必要はありません。

たとえば、

  • パソコンを使った事務作業はできる
  • 電話やオンラインでの応対はできる
  • 座った状態なら長時間の業務ができる
  • 営業経験を生かした提案業務ができる
  • 一人で集中する作業が得意
  • 人への説明やサポートが好き

など、現在できている仕事を書き出します。

これまでの職歴がある方なら、

今まで普通に担当してきた仕事

がそのまま材料になります。

転職活動では障害のことを考える時間が多くなりがちですが、応募先が知りたいのは障害のことだけではありません。

「この人は、どんな仕事ができるのか」

も同じように重要です。


次に「難しいこと」を具体的にする

次に、仕事をするうえで負担になりやすいことを書きます。

たとえば、

  • 長時間立ち続けることが難しい
  • 階段での移動が難しい
  • 重い荷物を運ぶことが難しい
  • 通勤ラッシュでの移動に大きな負担がある
  • 定期的な通院が必要
  • 長時間連続して作業すると休憩が必要になる

などです。

ここで大切なのは、

「身体障害があるから○○できない」

と大きくまとめないことです。

できないことを細かくすると、

「この条件さえ整えばできる」

という部分も見つかりやすくなります。


最後に「何があれば働けるか」を考える

ここが特に重要です。

たとえば、

「階段の移動が難しい」

だけで終わるのではなく、

「エレベーターが利用できれば、社内の移動には大きな支障がない」

まで考えます。

「定期的な通院が必要」

なら、

「月に○回、通院のため勤務時間について相談したい」

と具体的にできます。

「長時間立ち続けることが難しい」

のであれば、

「座って行える業務であれば対応できる」

という形にもできます。

つまり、

難しいこと → 何があればできるか

まで考えるのです。

仕事でできることや必要な配慮をノートに整理する男性

この整理をしておくと、求人を見るときにも、

「この仕事は無理そうだ」

だけで判断せず、

「この会社の環境ならできそうだ」

と考えられるようになります。

そして応募書類や面接でも、

「できません」

だけではなく、

「このような配慮があれば、この仕事はできます」

と説明しやすくなります。

必要な配慮を考えることは、自分のできないことを並べる作業ではありません。

自分が力を発揮できる条件を見つける作業

でもあるのです。

自分に必要な配慮を、一人で整理するのが難しい方へ

身体の状態やこれまでの仕事を踏まえて、「どんな環境なら働きやすいか」を専門の転職支援に相談してみる方法もあります。

※身体障害のある方を対象とした就職・転職・キャリア支援サービスです。


障害者雇用枠と一般の求人、どう考えればいい?

身体障害のある方が転職活動を始めると、

「障害者雇用枠で探した方がいいのか」

「一般求人にも応募していいのか」

と迷うことがあります。

最初から、どちらか一方だけに決める必要はありません。

それぞれの求人を見ながら、

仕事内容と、自分に必要な配慮の両方が合うか

を考えていきます。


障害者雇用枠では、配慮について確認しやすい場合がある

一般に「障害者雇用枠」と呼ばれる求人には、ハローワークの「障害のある方のための求人」のように、障害のある方を対象とした求人があります。

ハローワークでは、障害者専用求人について、企業側がエレベーターの有無など障害者への配慮に関する情報を登録できる仕組みもあります。

そのため、職場環境や配慮について確認しながら仕事を探しやすい場合があります。

ただし、

「障害者雇用枠なら、どの会社でも働きやすい」

という意味ではありません。

仕事内容、職場設備、勤務時間、通勤方法、キャリアの希望などを一つずつ確認する必要があります。

ハローワークインターネットサービス「求人情報検索のしかた」

ハローワークインターネットサービス – 求人情報検索のしかた

一般求人も選択肢から外す必要はない

一方で、これまでの経験や専門性を生かし、一般求人へ応募するという考え方もあります。

「一般求人=障害について配慮されない」

というわけではありません。

合理的配慮の考え方は、障害者専用求人だけを対象にしたものではなく、募集・採用や就業の場面で事業主に求められているものです。

ただし、どのような配慮が可能なのかは仕事内容や会社の環境などによって異なります。

そのため一般求人へ応募する場合には、

仕事内容を確認することに加えて、自分に必要な配慮についてどの段階で相談するか

も考えておくとよいでしょう。


「どちらが有利か」ではなく「自分に合うか」で考える

障害者雇用枠と一般求人を、

「どちらが得か」

という二択だけで考えると、迷いやすくなります。

それよりも、

やりたい仕事内容があるか
これまでの経験を生かせるか
必要な配慮を相談できるか
無理なく通勤・勤務できるか
長く働き続けられそうか

という条件で比べてみます。

場合によっては、障害者雇用枠と一般求人の両方を見ながら、自分に合う仕事を探してもよいでしょう。

また、求人を自分で探す方法と、転職支援を利用する方法の違いを知りたい方は、こちらの記事も参考になります。

転職サイトと転職エージェントはどっちを使うべき?初心者向けに使い分けを解説

ただし、身体障害のある方の場合には、一般的な求人の多さだけでなく、

必要な配慮について相談できるか

という視点も加えて選ぶことが大切です。

ここまで整理できたら、次に確認したいのは求人票です。

同じ「事務職」「営業職」でも、

職場までどう通うのか。

社内をどう移動するのか。

どのくらい座ったり立ったりするのか。

通院との両立は可能なのか。

求人票の文字だけでは分からない部分が、実際の働きやすさを大きく左右することがあります。

次は、求人票だけでは見えにくい「働きやすさ」をどう確認するかを具体的に見ていきましょう。

求人票だけでは分からない「働きやすさ」を確認する

求人票を見て、

「仕事内容は自分に合いそうだ」

「これまでの経験も生かせそうだ」

と思っても、それだけで実際の働きやすさまで分かるとは限りません。

身体障害のある方の場合、求人票に書かれた仕事内容と同じくらい、

その仕事を、どんな場所で、どんな動き方で行うのか

を確認することが大切です。

たとえば「事務職」と書かれていても、

一日ほとんど自席で仕事をする会社もあれば、社内の別フロアへ頻繁に移動する会社もあります。

営業職でも、オンライン商談が中心の仕事と、外出や訪問が多い仕事では身体への負担が違います。

同じ職種名でも、実際の働き方はかなり異なるのです。

「家を出てから座席に着くまで」を想像してみる

仕事を選ぶときは、仕事内容だけでなく、

家を出てから職場の自分の席へ着くまで

を一度順番に想像してみると、確認すべきことが見えやすくなります。

たとえば、

  • 最寄り駅まで無理なく移動できるか
  • 通勤時間帯の混雑に対応できるか
  • 駅から会社までどのくらい歩くのか
  • 建物の入口に段差はないか
  • エレベーターは利用できるか
  • オフィスまでの通路は移動しやすいか
  • 利用しやすいトイレがあるか

などです。

求人票に「駅から徒歩5分」と書かれていても、その5分が誰にとっても同じ負担とは限りません。

また、

「エレベーターあり」

という一項目だけでも、

入口からエレベーターまで問題なく移動できるのか、混雑時にも利用しやすいのかなど、実際に働くうえではもう一段具体的な確認が必要になる場合があります。


職場の中で「どのくらい動く仕事なのか」も確認する

次に、

仕事を始めてから一日の中でどのくらい移動するのか

を考えます。

たとえば、

  • コピー機や書庫まで何度も移動する
  • 別の階で会議がある
  • 来客の案内を担当する
  • 倉庫や店舗と事務所を行き来する
  • 社外への外出が頻繁にある

といった業務が含まれる場合があります。

求人票だけでは、こうした細かな動きまで分からないことがあります。

面接などで仕事内容を確認するときには、

「事務職ですが、一日の中で社内を移動することは多いでしょうか」

「外出は月に何回くらいありますか」

といった形で聞けば、仕事内容の確認としても自然です。


勤務時間・休憩・通院との両立も「働きやすさ」の一部

職場設備だけでなく、時間の条件も確認しておきましょう。

たとえば、

  • 定期的な通院が必要
  • 長時間連続して作業すると休憩が必要
  • 朝の通勤ラッシュを避けたい
  • 身体の状態によって勤務時間の調整が必要になることがある

という場合です。

求人票にフレックスタイムや時差出勤、在宅勤務などの記載があれば参考になりますが、書かれていないから必ず不可能とも限りません。

反対に、制度があると書かれていても、応募する職種で実際に利用できるかどうかは確認した方がよい場合があります。

大切なのは、

「配慮の制度がある会社か」だけでなく、「自分に必要な配慮について相談できる会社か」

を見ることです。

求人票だけでは分からない「働きやすさ」も相談できます

仕事内容だけでなく、必要な配慮や働く環境も含めて転職先を考えたい方は、身体障害に特化した転職支援へ相談する方法もあります。

※身体障害に特化した就職・転職支援サービスの公式ページへ移動します。

転職先の職場環境や移動経路を確認する様子

可能であれば、面接や職場見学などの機会に、実際の入口、通路、エレベーター、座席周辺などを確認することも役立ちます。

自分に必要な条件をあらかじめ整理しておけば、

「何となく働きにくそう」

ではなく、

「ここが確認できれば働けそうだ」

と具体的に判断しやすくなります。


応募書類や面接で、障害や必要な配慮をどう伝える?

仕事内容や職場環境を確認したら、次に悩みやすいのが、

「障害について、どのように伝えればよいのだろう」

ということです。

必要な配慮を伝えることを、

自分のできないことを告白する場

のように考える必要はありません。

目的は、

仕事をするうえでどのような支障があり、どのような条件なら力を発揮できるのかを共有すること

です。

厚生労働省の合理的配慮指針でも、募集・採用時に配慮が必要な場合は、応募者が「支障となっている事情」と希望する措置を申し出、その内容について事業主と話し合うという考え方が示されています。希望する措置を具体的に示すのが難しい場合は、まず支障となっている事情を伝えることで足りるとされています。


「障害名」だけではなく「仕事への影響」を伝える

たとえば、

足に障害があります。配慮をお願いします。

だけでは、会社側も何を確認すればよいのか分かりにくいかもしれません。

もう少し具体的に、

長い距離を歩いたり階段を繰り返し利用したりすることは難しいですが、エレベーターを利用できれば社内の移動は可能です。座って行う事務業務には支障ありません。

と伝えれば、

難しいことと、できることの両方

が分かります。

通院についても、

通院があります。

だけではなく、

月に1回通院が必要なため、その日は勤務時間について相談できれば、それ以外は通常どおり勤務できます。

など、実際の状況に合わせて整理できます。

もちろん、実際に必要な配慮は人によって異なります。

大切なのは、立派な説明を作ることではなく、自分の状態を事実の範囲で具体的にすることです。


「難しいこと → 必要な配慮 → できる仕事」の順で整理する

ここまで整理してきた、
できること
難しいこと
必要な配慮

は、応募書類や面接でもそのまま役立ちます。

たとえば、

難しいこと
長時間立ち続けることが難しい

必要な配慮
座って作業できる環境が必要

できること
座位で行うPC作業や電話対応は通常どおり行える

という形です。

必要な配慮だけを単独で伝えるより、

「その条件があれば何ができるのか」

まで伝えると、応募先も実際に働く姿をイメージしやすくなります。


選考そのものに配慮が必要なら、早めに相談する

配慮が必要になるのは、採用後だけとは限りません。

面接会場への移動、筆記試験、面接時間など、採用選考そのものについて配慮が必要な場合もあります。

厚生労働省の指針では、準備に一定の時間を要する配慮もあるため、必要な場合は面接日などまでに時間的な余裕をもって申し出ることが求められています。

ここでも、

「自分だけ特別なお願いをしている」

と考えるのではなく、

選考で自分の能力を適切に見てもらうために必要な条件を伝える

と考えてよいでしょう。


何をどこまで話すか迷うときは、一人で決めなくてもいい

障害の状態や経緯には、個人的な情報も含まれます。

何をどこまで応募先へ伝えればよいのか迷う場合は、業務を行ううえで必要な情報や配慮を中心に整理しながら、公的な就職支援機関などへ相談する方法もあります。

20代の方で、

「そもそも職務経歴書に書けるほどの経験がない」

と感じている場合は、こちらの記事も参考になります。

転職したいけどスキルがない20代へ|「何もない」と思う人の経験の棚卸し方

障害について説明することと、自分の仕事の経験を伝えることは別々ではありません。

必要な配慮を伝えながら、自分ができる仕事やこれまでの経験もきちんと伝える。

その両方が大切です。


一人で抱え込まず、公的な就職支援を利用する方法もある

転職活動というと、

「求人サイトで探して、自分で応募する」

というイメージを持つかもしれません。

しかし、身体障害のある方が利用できる公的な就職支援機関もあります。

しかも、それぞれ少しずつ役割が違います。

全部を利用する必要はありません。

自分が何に困っているのか

に応じて、相談先を選べばよいのです。


ハローワーク|求人紹介から応募書類・面接まで相談したいとき

全国のハローワークには、障害のある求職者向けの相談窓口があります。

専門の担当者による職業相談や求人紹介だけでなく、履歴書の作成支援、模擬面接、職場実習、個別の求人開拓、就職後の職場定着まで支援しています。

そのため、

「まずどんな求人があるのか知りたい」

「応募書類を一緒に見てほしい」

「面接について相談したい」

という方には利用しやすい相談先です。

障害者向け求人だけでなく、一般求人への応募についても相談できます。

厚生労働省「障害者に関する窓口」

障害者に関する窓口

地域障害者職業センター|自分に合う仕事や職場への適応を専門的に考えたいとき

地域障害者職業センターでは、ハローワークなどと連携しながら、

  • 就職に向けた相談
  • 職業能力などの評価
  • 就職前の支援
  • 就職後の職場適応支援

など、専門的な職業リハビリテーションを行っています。

たとえば、

「自分の身体の状態を考えると、どんな仕事なら続けられるのだろう」

「職場でどんな支援があれば働きやすいのだろう」

といったことを、より専門的に整理したいときの相談先になります。

必要に応じて、ジョブコーチによる職場適応の支援が行われる場合もあります。

なお、地域障害者職業センター自体が求人を紹介する機関というより、職業評価や就職・職場適応のための専門的支援を行う機関です。求人紹介についてはハローワークが担います。

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「就職支援・相談窓口」

就職支援・相談窓口|高齢・障害・求職者雇用支援機構
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)は、高齢者の雇用の確保、障害者の職業的自立の推進、求職者その他労働者の職業能力の開発及び向上のために、高齢者、障害者、求職者、事業主等の方々に対して総合的な支援を行っています。

障害者就業・生活支援センター|仕事だけでなく生活面も含めて相談したいとき

仕事を続けるうえでは、

通勤、健康管理、生活リズムなど、仕事以外のことが影響する場合もあります。

障害者就業・生活支援センターでは、身近な地域で、就業面と生活面を一体的に支援しています。就職活動や職場定着だけでなく、生活習慣、健康管理、住居などについても関係機関と連携しながら相談支援を行っています。

「仕事だけを切り離して考えるのが難しい」

という場合には、こうした相談先があることも知っておくとよいでしょう。

厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」

障害者就業・生活支援センターについて
障害者就業・生活支援センターは「障害者の職業生活における自立を図るため、雇用、保健、福祉、教育等の関係機関との連携の下、障害者の身近な地域において就業面及び生活面における一体的な支援を行い、障害者の雇用の促進及び安定を図る」ことを目的として…

相談先は、一つに決めなくてもいい

ここまで読むと、

「結局、どこへ行けばいいのだろう」

と思うかもしれません。

大まかに整理すると、

求人紹介や応募の相談もしたい
→ ハローワーク

自分の職業能力や職場への適応を専門的に整理したい
→ 地域障害者職業センター

仕事と生活の両面を一緒に相談したい
→ 障害者就業・生活支援センター

という違いがあります。各機関は互いに連携して支援する仕組みも取られています。

就職や転職について相談員と話している様子

公的な相談先を利用することは、

「一人では転職できない」

という意味ではありません。

求人を探したり、必要な配慮を整理したり、職場との調整方法を考えたりするときに、

使える支援を一つ増やす

ということです。

そして、公的支援だけが選択肢でもありません。

身体障害のある方の就職・転職を専門に支援する民間サービスもあります。

公的な支援と民間の転職支援は、どちらか一方しか使えないものではありません。

自分が必要としている支援の内容を考えながら、使い分けることができます。

次は、

身体障害に特化した転職支援にはどんな特徴があり、どんな人に向いているのか

を見ていきましょう。

身体障害に特化した転職支援を利用する選択肢

ここまで、公的な就職支援について紹介してきました。

それに加えて、身体障害のある方の就職・転職を専門に支援する民間のサービスを利用する方法もあります。

一般的な転職サービスでも求人紹介や応募書類の添削などを受けられる場合がありますが、身体障害に特化した支援では、

どんな配慮が必要なのか
どのような働き方なら続けやすいのか
これまでの経験をどの仕事で生かせそうか

といったことを、身体の状態も含めて相談しやすいという特徴があります。

もちろん、

「専門サービスを使えば必ず自分に合う会社が見つかる」

というわけではありません。

また、公的支援と民間の転職支援のどちらか一方だけを選ばなければならないわけでもありません。

大切なのは、

自分が今、何について助けを必要としているのか

を考えて、相談先を選ぶことです。


今回紹介するサービスは、身体障害に特化した転職支援

今回紹介する転職支援サービスU三(ユウサン)は、身体障害のある方の就職・転職・キャリアアップを専門に支援しています。

公式サイトでは、代表者自身も義足ユーザーであり、身体障害の当事者として社会経験を積んできたことをサービスの特徴として紹介しています。求職者向けのサービスは無料です。

広告主から提供された資料でも、身体障害のある20代~40代で、就職・転職を検討している方を主な対象としています。

ここで大切なのは、

「障害があるから仕事を紹介してもらう」

というだけではなく、

これまでどんな仕事をしてきたのか。

これからどんな仕事をしたいのか。

どんな環境なら力を発揮しやすいのか。

そうしたことを一緒に整理しながら、次の仕事を考えることです。

オンラインで就職や転職について相談する様子


問い合わせ後は、オンラインで現在の状況や希望を相談する

U三(ユウサン)の公式サイトによると、問い合わせ後はメールで日程を調整し、30~60分ほどのオンライン面談を行います。

面談では、

現在の状況、障害の内容、転職したい時期、希望条件などを確認し、希望があれば履歴書や職務経歴書の添削も受けられます。

そのうえで、相談内容を踏まえて仕事を探し、提案する流れになっています。

つまり、

「求人を何件紹介してもらえるか」

だけではなく、

自分の状況や希望を一度整理する場

として利用することもできます。


「まだ転職すると決め切れていない」という段階でも相談できる

転職支援サービスというと、

「すぐ転職すると決めている人でなければ相談してはいけないのでは」

と思うかもしれません。

しかし、U三(ユウサン)の公式サイトでは、

まだ問い合わせをするほどではないと感じている方や、面談はもう少し先にしたいという方でも相談できる

と案内しています。

ですから、

「今の職場を辞めると決めた」

という段階まで待つ必要はありません。

たとえば、

「今の働き方をこのまま続けるか迷っている」

「自分の経験で、ほかにどんな仕事があるのか知りたい」

「身体の状態に合う働き方について考えてみたい」

というところから相談する方法もあります。

転職するかどうかを含めて、自分のこれからを考えるための材料を増やす。

そのくらいの位置づけで考えてよいでしょう。


急いで転職したい場合は、ほかの支援との併用も考える

U三(ユウサン)の公式サイトには、もう一つ興味深い案内があります。

転職を急いでいる場合には、同社以外の転職エージェントもあわせて利用することを勧めています。

これは、転職支援サービスを一つに絞らなければならないわけではないということです。

ハローワークを利用しながら民間サービスへ相談する。

複数の転職支援サービスを比較する。

自分でも求人を探す。

そうした進め方もできます。

支援サービスを選ぶこと自体が目的ではありません。

自分に合う仕事と働き方を見つけるために、必要な手段を使う。

そのように考える方がよいでしょう。


身体障害のある方の就職・転職について相談してみたい方へ

ここまで読んで、

「一度、自分の働き方について誰かと話してみたい」

「身体の状態も含めて、これからの仕事を考えてみたい」

と感じた方は、U三(ユウサン)へ相談する方法もあります。

身体の状態も含めて、これからの働き方を相談したい方へ

身体障害に特化した就職・転職支援サービスがあります。 今の働き方やこれまでの経験、必要な配慮などを整理しながら、これからの仕事について相談できます。

※身体障害のある方を対象とした就職・転職・キャリア支援サービスです。
※転職するか迷っている段階でも相談できます。
※転職支援サービスの公式ページへ移動します。


身体障害のある方の転職でよくある質問

Q. まだ転職すると決めていなくても相談できますか?

はい。

今回紹介するサービスの公式サイトでは、「まだそこまでではない」「面談はもう少し先がよい」という段階でも相談できると案内されています。

ただし、実際に求人紹介や転職活動を進める段階になれば、希望条件や職歴などをより具体的に整理していくことになります。


Q. 相談には費用がかかりますか?

今回紹介するサービスでは、求職者向けのサービスは無料と案内されています。

問い合わせ後にオンライン面談を行い、希望に応じて履歴書や職務経歴書の添削なども行っています。


Q. ハローワークを利用していても、民間の転職支援へ相談できますか?

公的支援と民間の転職支援は役割が異なるため、必ずどちらか一つだけに決める必要はありません。

自分で求人を探しながら相談先を利用することもできます。

今回紹介するサービス自身も、転職を急いでいる場合には、ほかの転職エージェントとの併用を勧めています。


Q. 障害について、全部話さなければいけませんか?

転職活動で大切なのは、単に障害名やこれまでの経緯を詳しく説明することではなく、

仕事をするうえでどのような支障があり、どのような配慮が必要なのか

を整理することです。

何をどこまで伝えればよいか迷う場合は、応募する前にハローワークなどの公的支援機関や転職支援サービスへ相談する方法もあります。


Q. 身体障害があると、応募できる仕事は限られますか?

身体の状態や必要な配慮によって、難しい仕事があることは事実です。

しかし、

障害名だけで応募できる仕事を決めることはできません。

これまでの経験、できること、仕事内容、職場環境、必要な配慮などを一緒に考える必要があります。

「身体障害がある人に向いている仕事」を一つ探すより、

「自分はどんな条件なら、その仕事ができるのか」

を考えることが、仕事選びの出発点になります。


まとめ|必要な配慮を受けながら、自分の力を発揮できる職場を探そう

身体障害のある方が転職を考えるとき、

ほかの人なら考えなくてもよいことまで、確認しなければならない場合があります。

駅から会社まで移動できるか。

階段を使わずに働けるか。

通院と勤務を両立できるか。

必要な休憩を取れるか。

職場の設備は使いやすいか。

応募先へ障害についてどう説明するか。

転職活動を始めただけなのに、

確認することがずいぶん多いと感じるかもしれません。

けれど、それらを確認するのは、
自分に働く力がないからではありません。

自分が持っている力を、無理なく発揮できる場所を探すためです。

仕事をするうえで必要な配慮は、一人ひとり異なります。
同じように、これまで培ってきた経験や得意なこと、仕事で発揮できる力も、一人ひとり異なります。

必要な配慮だけで、その人のできる仕事や可能性まで決まるわけではありません。

そのために必要なら、

会社へ配慮について相談する。

公的な支援を利用する。

身体障害に詳しい人へ相談する。

いくつかの求人を比べる。

転職しないという選択を一度考えてみる。

道は、一つでなくていいのです。

すぐに答えが見つからなくても構いません。

自分の身体と相談しながら、

自分がしてきた仕事を振り返りながら、

これからどんなふうに働きたいのかを考えていく。

その先に、

今より少し働きやすく、

今までより少し自分らしく力を発揮できる場所が、

見つかるかもしれません。

必要な配慮を受けながら働くことも、あなたの働き方の一つです。

そして、その働き方を選ぶ道もまた、

あなた自身が選んでいいのです。

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